アーメダバードの作品

繊維業者会館

ル・コルビュジエはチャンディガールとアーメダバードというインドの二つの町にいくつもの代表的な作品を残しています。

第二次世界大戦後、パンジャブ州の旧州都ラホールがパキスタン側に入ってしまったことから、新しい州都を建設する必要が生じ、チャンディガールを新州都としてつくることとなりました。その建築家としてル・コルビュジエが指名されたことを知ったアーメダバードの裕福な繊維業者たちが、自分たちの町にも作品を作って欲しいと依頼した結果作られたのが、《繊維業者会館》《サラバイ邸》《ショーダン邸》《サンスカルケンドラ美術館》です。

いずれもインドの気候風土を生かした建築、すなわち軒の深いブリーズソレイユ、パラソル状の屋根、風通しが良い半屋外の空間、こうした要素をうまく取り込んで作られています

《サラバイ邸》は煉瓦のヴォールト天井をもつ低層の住宅、《ショーダン邸》はコンクリートの四角い箱を組み合わせ、階段で結びつける構成の住宅となっています。いずれも、軒を深くしたり、ブリーズソレイユを付けることで、熱い陽射しを避け、さらに庭に大きなプールを設けることで、水面を渡る涼しい風が住宅に通るような工夫がなされています。

繊維業者会館も建物本体には外壁を設けず、ブリーズソレイユを通して、陽射しも風も抜けるようになっています。会議室は曲面で構成され、開放的な平面の中に配置されています。

《サンスカルケンドラ美術館》はル・コルビュジエが手掛けた3つの美術館の一つで、回りながら作品を鑑賞するような構成になっています。